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出産後に義母が手伝いに来てくれた頃のことです。
家事をしてくれた義母が、パントリー(キッチン横の収納スペース)であるものを発見しました。
それが、たけのこの水煮の缶詰。
義母は、それをわざわざ寝室に持ってきて、「妊婦はたけのこ食べちゃだめなのよ!」と一喝。
その時の私は、慣れない夜中の授乳がたたり、寝不足でふらふら。
しかも、帝王切開で傷がまだ痛むという状況で、ストレスのかたまり。
思わず、「今、その情報必要ですか?そこにあるってことは、食べてないってことでしょ!」と
心の中で叫んだのは内緒です。(口に出なくてよかった・・・苦笑)
私はただ、妊婦中にたけのこの水煮の存在を忘れていただけですが・・・
今となって、何でたけのこはだめなんだろうと思い直したので、ちょっと調べてみました。
妊娠中のプレママさんの参考になれば幸いです。
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たけのこのアクってなに?原因は?
たけのこが持っているアク(=えぐ味)は、主に「ホモゲンチジン酸」といわれるものです。
もともと、新鮮なたけのこは「チロシン」という酵素(アミノ酸)をもっています。
たけのこを収穫すると、「チロシン」が酸化してアクの元の「ホモゲンチジン酸」となります。
なので、収穫したばかりのたけのこはアクが少なく、そのままでも食べられる場合もあります。
しかし、「チロシン」は、どんどん「ホモゲンチジン酸」に変化してしまい、アクが強くなります。
なので、たけのこを買ったりもらったりしたら、できるだけ早くあく抜きをした方が良いといわれています。
※たけのこのあく抜き方法は、こちらの記事で紹介しています。↓
たけのこのあく抜きは米のとぎ汁で代用!えぐみを消すゆで方とゆで時間は?
そして、もうひとつのアクの元は「シュウ酸」です。
たけのこのほかに「シュウ酸」が含まれる食品は、
- ほうれん草
- チンゲンサイ
- ナス
- レモンの皮
- コーヒーや紅茶
- ビール
などがあります。
「シュウ酸」は、結石の原因となるので食べすぎに注意しましょう。
また、たけのこの中の「シュウ酸」は、一晩で倍増するので、すぐ茹でなければいけません。
また、一緒に食べる食品も考えて食べることで安全性がぐっと上がります。
「シュウ酸」はカルシウムと一緒に食べると、「シュウ酸カルシウム」として水に溶けにくい物質に変化します。
すると不思議なことに、えぐ味が少なくなったり、尿路結石を防ぐことになるのです。
だから、たけのこご飯にはよく、カルシウム豊富な
- 油揚げ
- ひじき
- シラス
- ごま
が入ってくることが多いのですね!納得!
化学の知識がまったくない私には「魔法」としか思えません。
昔の人が「化学」を発見する前からこんな料理をしていると思うと、本当に和食ってすごい!と思うしかないのです。
たけのこの栄養。妊婦でも大丈夫?
化学反応に感動して、少し話がずれました(笑)すみません。
たけのこの主な成分は以下のとおりです。(100gあたり)
- 食物繊維 (2.8g)
- カリウム (520mg)
- マグネシウム (13mg)
- 亜鉛 (1.3mg)
- マンガン (0.68mg)
- ビタミンB1(0.05mg)
- ビタミンB2 (0.11mg)
- ビタミンB6(0.13mg)
- ビタミンC(10mg)
- 葉酸 (0.064mg)
特に、食物繊維が豊富で、便秘の症状を改善してくれることでしょう。
腸内で水分を吸収して、有害物質を排出するので、大腸がん予防にも有効とされています。
わかめやこんにゃくなどと食べ合わせると効果が高まります。
また、カリウムも多く含まれていますので、余分な塩分の排出をし、高血圧やむくみを予防するとされています。
しいたけや小松菜、オクラなどと一緒に食べるとよいでしょう。
そして、なんといっても低カロリー!
100gあたり26kcalです。
たけのこご飯として食べれば、お米の量が減って低カロリーになります。
(私の場合は2倍食べてしまいそうですが・・・)
妊活中やプレママに大切な葉酸も含まれています。
また、新鮮なたけのこに含まれている「チロシン」は健脳効果も期待されています。
特に、妊娠4~7ヶ月の中期、神経の伝達形成を助けたり、甲状腺ホルモンの原料となり、胎児の成長にも欠かせません。
赤ちゃんにもママにも健康食品となりますね。
妊娠中の方におすすめの記事はこちら↓
初めての妊娠で不安がいっぱいの妊婦さんが積極的に摂取すべき4つの栄養素を徹底解説!スポンサードリンク
まとめ
調べてみると、「妊婦はたけのこ食べちゃダメ!」という義母の言葉は迷信だったようですね。
(まれにたけのこアレルギーの方がいますので、妊婦にかかわらず避けてください。)
けれども、たけのこの迷信は、妊婦を大切に思っていてくれるからこそ出たものだと思います。
- 食物繊維が豊富で、下痢=流産の原因となるのではないか
→胃や腸が弱い人は食べ過ぎに注意しましょう。
- 新鮮でないと「シュウ酸」が増える=尿路結石になってしまう
→新鮮なたけのこをカルシウムと一緒に摂取しましょう。
- アクが強い=母乳がまずくなるのではないか
→あく抜きをしっかりしてください。
しっかりあく抜きをして、食べすぎには気をつけ、栄養豊富な旬のたけのこを楽しんでください。
たけのこの栄養について、こちらの記事で詳しく説明しています。↓
たけのこの効能がスゴイ。どんな栄養が?子供はたけのこ食べても大丈夫?