たけのこは、美味しいのですがアク抜きが大変です。
このアク抜きが面倒で、生のたけのこをお店で見かけても、ついつい水煮を買ってきてしまいます。
せっかくの春の味覚を楽しめず、ずいぶんと残念な事をしてしまい反省してます。
今年こそは、厄介なアク抜きを習得して、美味しい春の味覚を味わいたい物です。
さて、たけのこのアク抜きと言えば、「米ぬか」が代表的です。
ですが、たけのこと一緒に売られてるお店と、置いていないお店があります。
一緒に売られていれば良いのですが、一緒に売られていなければ別に買わなくてはなりません。
また、ぬか漬けのコーナーに置いてあったりしますが、塩分が加えられていたり、数kgどかーんと置いてあったりして、たけのこのだけの為に少量だけ買うという感じではありません。
たけのこのアク抜きの方法は、その他にも色々な方法があります。
時間が短くて済み、しかも、もっと簡単な方法がたくさんあるのです。
今回はぬかなしで、たけのこのアク抜きをする3つの方法についてお話ししたいと思います。
目次
たけのこのアクを抜く理由
たけのこのアクは、どうして抜かないといけないのでしょうか?
前述した通り、アクを抜かないと、苦かったり、渋かったり、と、まずくて食べられません。
その原因として、タケノコのアクの成分には、
- シュウ酸
- ホモゲンジン酸
- 青酸配糖体
などが含まれているからなんです。
特に、青酸配糖体は自然毒として有名で、中毒を引き起こすと言われています。
私の胃の痛みの正体は、これだったんですね。(納得です。)
つまり、タケノコのアクは美味しく食べるために抜くだけでなく、体に悪影響を与えない為にも、しっかりと抜いた方が良いという事なのです。
しっかりとアクを抜いて美味しく食べましょう。
簡単なたけのこのアク抜き方法
大根おろしでアクを抜き
- 大根を1/3本おろし金でおろします。
- 大根おろしと同量の水を加えます。
- 塩を少量加えます。
- タケノコの皮を剥き、料理する大きさに切ります。
- 大根おろし、水、塩を入れたボールにタケノコを入れます。
- 水が足りなかった場合は、少し水を足します。
- 一時間ほど漬け込みます。
- 一時間漬け込んだら、数分間ゆでて出来上がりです。
たけのこのアク抜きは大根おろしがおすすめです。
材料は大根1/3本、水、塩、たけのこです。
大根に含まれる消化酵素「パーオキシダーゼ」の働きでアクが抜けます。
たけのこのアクは、主にシュウ酸とホモゲンチジン酸の二つの「酸」です。
大根は、「アルカリ性」です。
つまり、大根のアルカリ性に酸が反応する仕組みです。
ちなみに大根おろしを使ったたけのこのアク抜きは、予約がなかなか取れないことで有名な日本料理の名店、「分とく山」の総料理長、野崎洋光さんが考案されて有名になりました。
大根おろしのアク抜きはおすすめですが、メリット・デメリットあります。
メリットは、時間が少なくて済む、火を使う時間が少ない、素材の風味や旨味が残っている、シャキシャキ感が残っているの4点です。
デメリットは、生でも食べられるが、煮ないと大根くさい、大根おろしが大量にできてしまいもったいない、大根をおろすのが面倒くさいの3点です。
大根をおろすのが面倒な時は、フードプロセッサーを利用するなどしましょう。
大根おろしでアクを抜いたたけのこは、風味や旨味があるので、炊き込みごはんや煮物、おひたしなど和風の繊細な料理に向いてます。
重曹でアク抜き
- たけのこの皮をむき、縦ふたつに分ける。
- 鍋に水を入れ重曹を小さじ1加える。
- たけのこを入れて火にかける。
- 30分煮て、竹串をさして通れば出来上がり。
たけのこのアク抜きは、色々な方法がありますが、重曹が比較的簡単です。
重曹でのアク抜きに用意するものはたけのこ、水、重曹(洗濯用は不純物が入っている可能性あり、食用を買い求めます)、鍋(アルミ鍋は変色するので不可です)です。
たけのこのアクの代表的な物に、「シュウ酸」と「ホモゲンチジン酸」があります。
シュウ酸は、水に溶ける物質のため、水に晒すと溶け出します。
たけのこを水にさらすだけなので、取り除くのは簡単です。
しかし、問題はもう一つのホモゲンチジン酸の方です。
ホモゲンチジン酸は、酸なのでアルカリ性の物質に反応します。
重曹は水に反応するとアルカリ性になります。
この重曹水にたけのこを浸すとホモゲンチジン酸が溶け出してくるわけです。
もうひとつ、重曹は、食物繊維を柔らかくしてくれます。
たったの30分でできてしまう、超簡単な重曹を使ったたけのこのアク抜きですが、メリットとデメリットがあります。
重曹でのアク抜きのメリットは、どこでも手に入る重曹でできる。(なかなか、糠は売ってませんね)、たったの30分で出来上がる、皮をむいてから煮るため、小さい鍋でも大丈夫の3点です。
デメリットはアルミの鍋を使った場合は、重曹と科学反応を起こし変色する、重曹は繊維を壊すので、柔らかくなりすぎる恐れがある、たけのこ独特の風味が損なわれる可能性があることです。
重曹を使ったたけのこのアク抜きで向いている料理は中華料理などの炒め物や、パスタ料理などの創作料理です。
たけのこの独特の風味が損なわれている可能性がありますので和風の煮物には向きません。
米のとぎ汁でアク抜き
- たけのこについた土を、たわし等でよく洗い落す
- たけのこの皮を2~3枚はがす
- 火が通りやすくなるように縦に切り込みを入れ、穂先を5cm程斜めに切り落とす(たけのこの実を切らないように、包丁を入れる)
- 根元の硬い部分を切り落とす
- お鍋に下処理をしたたけのこ、生米、赤唐辛子、たけのこが隠れるくらいたっぷりの米のとぎ汁を入れ、火にかける
- 沸騰したら火を弱め、たけのこが浮いてこないようにお皿等で落とし蓋をし、アクが出なくなるまで1時間以上ゆでる
- ゆで終わったら、ゆで汁に浸けたまま冷ます。(半日くらい)
米のとぎ汁を使ってもたけのこのアク抜きは可能です。
用意するものは大きなお鍋、米のとぎ汁、生米、赤唐辛子です。
大きなお鍋が無い時は、たけのこの皮を全て剥き、たけのこをお鍋に入る大きさに切っても出来ます。
米のとぎ汁は出来るだけ最初の濃いものがおすすめです。
生米を一緒に入れると、さらにしっかりアクやえぐみを消すことが出来ます。(たけのこ1本につき大さじ1杯)
唐辛子には抗菌効果があります。(たけのこ2~3本に対して、唐辛子1~2本)
たけのこはアクがたくさん浮いてくるので、適度にアク取りをしてください。
火は弱めの中火で、鍋肌が少しぐつぐつ言う状態にします。
長時間ゆでるため、ゆで汁が少なくなったら必ず足し水をしてください。
ゆで汁に浸けたまま冷ますことで、さらにアクが抜けます。
たけのこのチロシンの効果が凄い
ゆでたたけのこを切ると、白い粉が付いていることがあります。
この粉はアミノ酸の一種の「チロシン」でやる気アップの源です。
慢性疲労や認知症、うつ病などに効果が期待できるそうです。
洗い流さずそのまま食べてください。
また、やる気アップの源「チロシン」は、糖と一緒に食べることでより多く脳にとりこまれるそうなので、ご飯と一緒に食べるのがおすすめです。
たけのこには、食物繊維・たんぱく質・葉酸等の栄養が含まれていて、便秘や大腸がんの予防などにも効果があります。
たけのこを使ったパスタレシピ
- 菜の花を好みの大きさに切る。
- たけのこを好みの大きさに切る。
- 切った菜の花とたけのこをバターでいため、めんつゆで味をつける。
- パスタを茹でる。
- ゆでたパスタに、3のめんつゆで味付けした菜の花とたけのこをあえる。
- 塩胡椒で、味を整え出来上がり!!
- お好みで、半熟たまごを乗せて春のお月見パスタの完成です。
完全に私のオリジナルですが、美味しいのでたけのこを使ったパスタレシピのご紹介です。
材料は菜の花、重曹でアク抜きしたたたけのこ、パスタ、めんつゆ、半熟卵です。
私は重曹でアク抜きをすることが多いです。
和風パスタですが、たけのこの食感もあって美味しいので是非作ってみてください。
たけのこのアク抜きまとめ
- ぬかなしで、たけのこのアクを抜く方法は、大根おろしに晒す方法と重曹で煮る方法と、お米のとぎ汁で煮る方法の3つがある。
- 一番おいしいのは、なるべく煮る時間が少ない方法と科学反応を起こしにくくする方法である。
- 大根おろしに晒す方法は、プロの料理人がやっている技。
- たけのこのアクは、酸であるため、アルカリ性の重曹で抜けます。
- 重曹は、食用のものを買い求めます。
- 重曹は、アルミと科学反応を起こすので、アルミ鍋は使わない事です。
- 重曹は、繊維を柔らかくするので、柔らかくしすぎに注意します。
- 重曹で柔らかくなりますが、独特の風味の損なわれてしまいがちです。
たけのこは収穫から時間が経つと、えぐみが増しアクも多くなります。
たけのこを手にしたら出来るだけ早くアク抜きをしてください。
なお、たけのこの種類によってはアク抜きが必要ないものもあります。
たけのこは妊婦にもおすすめの食材です
たけのこの種類や妊婦に嬉しい栄養や効能などは別ページの『妊婦はたけのこ食べてもいい?アクがあるから危険?栄養はあるの?』をご覧ください。
もし時間が経ってしまったら、ゆで時間を少し長くします。
保存する際は、容器にゆで汁ごと入れ冷蔵庫で保存します。
毎日お水を取り換えれば、5日ほどもちます。
たけのこの皮には実を柔らかくする効果があるため、お鍋に入るのであれば皮がついたままゆでる方がお勧めです。
また皮がついている方がたけのこの旨みが逃げにくいです。
自分でゆでるだけで、香りのよい美味しいたけのこを食べることが出来ます。
是非、試してみてください。