赤ちゃんは黒糖を食べちゃだめ!一歳未満は乳児ボツリヌス症の危険が。

「1歳未満の赤ちゃんには、絶対ハチミツを与えてはいけない」というのは、だんだん常識になっていると思っていた矢先のことでした。

義姉から、「黒糖も乳児ボツリヌス症になるからダメ!」と聞きました。

これは私も初耳だったので、調べてみました。

赤ちゃんにとって、とても重要なことなので、ぜひ最後まで読んでください。

黒糖とは?なぜ黒糖にボツリヌス菌がはいっているの?

黒糖とは、サトウキビの絞り汁を煮詰めて作る甘味料です。

主な生産地は、沖縄県と鹿児島県です。

黒糖は健康によいとされている近年注目の甘味料ですね。

しかし、1歳未満の赤ちゃんに黒糖を与えるのはリスクが大きすぎます。

なぜなら、蜂蜜ほど多くはないにしろ、土の中から栽培するサトウキビを黒糖にする工程で、ボツリヌス菌の芽胞が含まれてしまう可能性があるからです。

授乳中や妊婦は大丈夫?どうしたら子供を守れるの?

授乳中や妊婦であっても、大人なら、はちみつや黒糖でボツリヌス菌が口から体内に混入しても心配ありません。

子供でも、1歳以上に成長していれば、消化器官が発達し、腸内環境が整っているため、はちみつや黒糖を食べても大丈夫です。

ただ、入院するほどの病気にかかっているなど、体力が極端に落ちているときは念のため避けた方が良いでしょう。

乳児ボツリヌス症の予防法

乳児ボツリヌス症の予防法としては、ボツリヌス菌の芽胞が含まれるかも知れない以下の食品を口にさせないことです。

  • はちみつ
  • 黒糖
  • コーンシロップ
  • 野菜ジュース

また、野菜スープなど、野菜を使った離乳食を作る際にはしっかり水洗いをして、加熱をしてください。

そして、井戸水や川の水など、殺菌されていない水を1歳未満の赤ちゃんには与えないことです。

離乳食が始まり、味見をすると「こんなまずいもの、かわいそう」と、親心で蜂蜜や黒糖で味付けをしたくなるのでしょう。

しかし、それでは本末転倒です。

子供を愛するならば、将来の健康と味覚を育てるために「1歳になるまで味付け不要」という基本も覚えておきましょう。

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おさらいしましょう。乳児ボツリヌス症とは?

厚生労働省からもお知らせが出ていて、「1歳未満の赤ちゃんはボツリヌス菌が含まれると疑われる食品を避けましょう」とされています。

乳児ボツリヌス症とは、1歳未満の赤ちゃんが「ボツリヌス菌」で感染症を起こす病気です。

  1. 土の中に存在するボツリヌス菌の芽胞(細菌の卵のようなもの)が、食品を介して口から体内に入ります。
  2. この芽胞が体内に入り、腸内で発芽し毒素をだします。
  3. 1歳未満の赤ちゃんは、まだ消化器官や腸内細菌環境が未発達であることから、乳児ボツリヌス症になってしまうのです。

乳児ボツリヌス症の主な症状は以下のようなものがあります。

  • 5日以上、便秘が続く
  • 食欲(母乳やミルクも含め)がなくなる
  • 元気がなくなる(例:泣き声が小さい、力が弱い)
  • 顔が無表情になる
  • よだれが多い
  • 首がすわらなくなった

ボツリヌス菌の潜伏期間は長く、大体3日から30日間して発症するのが特徴です。

発症当初は原因がわからないかもしれません。

症状をよく観察することが必要です。

重症化するときもあるので注意!

また重症の場合は、呼吸困難や呼吸停止になるため、非常に危険です。

「乳児ボツリヌス症かもしれない?」と思ったら、すぐに病院で受診することをお勧めします。

こんな事態になった場合、命の危険があるので、ためらわずに救急車を読んでください。

乳児ボツリヌス症はどうやって診断される?

乳児ボツリヌス症の診断として、赤ちゃんの検便および採血により、ボツリヌス菌がいるかどうか調べます。

治療は、入院して呼吸管理や水分補給、また輸血などで症状を軽減させる治療法です。

私が住むオーストラリアでも治療は日本と同様ですが、ボツリヌス抗毒素とされる免疫グロブリンを注射して治療することもあります。

病院で治療をすれば、完治することがほとんどとされるので、疑ったらすぐに病院へ行きましょう。

黒糖の栄養

ここまで、黒糖を食べるとよくないことが起きるように進めてきました。

しかし、黒糖は正しく使えばとても優秀な調味料なんです。

主成分とされる糖分の他には以下のような成分が含まれています。

ミネラル

  • 骨や歯の成長に必要なカルシウムやリン、マグネシウム。
  • むくみ解消に良いカリウム。(白砂糖の約500倍以上)
  • 髪と爪必要な亜鉛。
  • 血の生成に関わる鉄分や銅。

ビタミン

ビタミンB1、B2、B6により皮膚や粘膜の健康を維持や疲労回復。

オクタコサノール

  • 抗ストレス効果。
  • 疲労回復。
  • 持久力維持や向上。

ラフィノース(天然オリゴ糖の一種)

  • 便秘解消。
  • 腸内環境の改善。

フェニルグルコシド

  • 血糖値の上昇を抑える。
  • 余分な糖分を排除。

はちみつもそうですが、黒糖も優れた甘味料ですね。

赤ちゃんが1歳以上に成長したなら、程よく与えてあげたいですね。

まとめ

  • 黒糖にはボツリヌス菌が混入している可能性がある。
  • 乳児ボツリヌス症はボツリヌス菌の芽胞を含む食品を口から体内に混入することで発症する病気。
  • ボツリヌス菌の芽胞を含む可能性がある食品(蜂蜜、黒糖やコーンシロップ、野菜ジュース)は1歳未満の子供に与えない。
  • 離乳食を作る際、野菜は水できれいに洗いよく加熱すること。
  • 1歳になるまで離乳食に味付けはしないこと。

あとがき

先日、義理家族との夕食会で蜂蜜の話題になりました。

その中で、義母が「赤ちゃんの舌が真っ白になったら、はちみつを塗るといい」と偉そうに言うので皆驚きました。

近くに、しかも身内にまだこんな人がいたのです(汗)

「白い舌にはちみつ」と言うのは大人ならOKな話で、赤ちゃんには絶対だめです。

なので、「赤ちゃんは乳児ボツリヌス症になるから絶対にあげないで!」と3人の義娘・実娘(皆二児の母)にさんざん説教されていました。

なんと、義母は、自分の4人の子供は蜂蜜で舌をきれいにしていたと明かしました。

その蜂蜜は運よくボツリヌス菌の芽胞が入っていなかったのでしょう。

本当に運がよかったと思います。

だからこそ、笑い話になりますが、実際、乳幼児のころに義母に子供を預けなくてよかったと思ってしまった本心は、内緒です。。。

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