赤ちゃんに果汁って飲ませて良いのでしょうか?
一昔前は「6ヶ月になったら果汁を飲ませましょう」と推奨されていましたが、今は昔ほど推奨されなくなった感じがしますね。
便秘に良いというのも聞いたりしますし、果汁は必要ないという説も聞きますね。
さて??果汁って一体どうなのでしょうか?
今回は赤ちゃんに果汁を与える事についてお話していきましょう。
目次
赤ちゃんに果汁は無理してあげなくてよい
1 離乳の開始 離乳の開始とは、なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時をいう。
その時期は5、6か月頃が適当である。
発達の目安としては、首のすわりがしっかりしている、支えてやるとすわれる、食べものに興味を示す、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが 少なくなる(哺乳反射の減弱)などがあげられる。
なお、離乳の開始前の乳児にとって、最適な栄養源は乳汁(母乳又は育児用ミルク)である。
離乳の開始前に果汁を与えることについては、果汁の摂取に よって、乳汁の摂取量が減少すること 1)、たんぱく質、脂質、ビタミン類や鉄、 カルシウム、亜鉛などのミネラル類の摂取量低下が危惧されること 1),2)、また乳 児期以降における果汁の過剰摂取傾向と低栄養や発育障害との関連 3),4)が報告 されており、栄養学的な意義は認められていない。
また、咀しゃく機能の発達 の観点からも、通常生後5~7か月頃にかけて哺乳反射が減弱・消失していく 過程注3)でスプーンが口に入ることも受け入れられていく 5,6)ので、スプーン等 の使用は離乳の開始以降でよい。
離乳の支援のポイント
厚生労働省によると赤ちゃんに果汁を飲ますと乳汁の摂取量が減少するのであまりおすすめしないと発表されています。
今のおばあちゃん世代にお話を聞くと「果汁を飲ませなさい!」とよく言います。
でも、実際に赤ちゃんが6ヶ月になった時に飲んでくれるかどうか?と言うとかなり個人差があります。
うちの長男の場合ですが、正直飲みたがらなかったです。
酸っぱいのが苦手だった様子で、スプーンで口に持っていくと、すごく嫌な顔をして毎回押し返されました。
しまいには泣き出してしまって、かなり大変だった記憶があります。
一方、友人の子は喜んで飲んでいたみたいです。
あくまでも私の場合ですが、「男の子は果汁が苦手で、女の子は果汁が好きな子が多い感じがする」とママ友と話していました。
赤ちゃんが便秘の時は果汁はあり
便秘や便秘気味の赤ちゃんに対しては、果汁は効果があります。
これは、果汁の浸透圧が母乳よりも高く、浸透圧性下痢をおこす可能性があるからです。
そこで、便秘や便秘気味の赤ちゃんには、薄めた果汁や、便秘の程度によっては薄めずにそのまま果汁を与えることがあります。
し かし、便秘を予防するために日常的に果汁を与えることは控えましょう。
No.26 「授乳・離乳の支援ガイド」解説~離乳編
赤ちゃんに果汁を無理にあげなくても良いという事はわかりました。
だけど、果汁がよい事もあります。
それは、便秘気味の時です。
「うーんうーん」と赤ちゃんがうなっていて、機嫌が悪くて「あ?もしかして便秘かも…」って思う時ありますよね。
そんな時は、果汁は効果があり大助かりです。
無理に薬は使いたくないし、赤ちゃんに浣腸は難しそうですしね。
ベビーフードで有名な和光堂の赤ちゃん通信というページに「日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長の堤ちはる先生」と言う専門家のお話が載っていましたので、引用させていただきました。
つまり、果汁は母乳よりも、浸透圧が高いので下痢しやすいという事なんですね。
なので、赤ちゃんが便秘の時には、飲ませると良いという事です。
赤ちゃんの果汁メリット・デメリット
果汁は、母乳より浸透圧が高いメリットがあります。
浸透圧性下痢を引き起こしやすいため、便秘の時に限って対策として果汁を飲ませるのは良いです。
また、色々な食べ物の味を知り、食事の楽しさを知るのに果汁を与えるのは良い事です。
ただし、赤ちゃんに果汁を早く与え始めると、果汁の方が甘くて美味しく感じて母乳を飲まなくなってしまうデメリットがあります。
なので、あまり早く与え始めない方が良いです。
果汁は後期でも充分です。
また果物はアレルギー24品目に、もも、りんご、バナナ、キウイの4種類がカウントされています。
ですので、あまり早く与えるとフルーツのアレルギーになってしまう可能性があります。
赤ちゃんへのみかんは離乳食初期から
赤ちゃんへのみかんは、一般的には離乳食初期から与える事ができます。
与え方としては、離乳食の初期の赤ちゃんには果汁だけを搾って与えます。
初めて赤ちゃんにみかんを与える時は1日1さじを、かかりつけ医のやっている時間帯に与えます。
アレルギー反応など、いざというときお医者さんに診てもらえるためです。
その後、数時間様子をみて、口の回りや、顔等に湿疹など出ていないか、いつもと違う所はないかを確認してください。
良く観察して問題がなければ与える事ができますので、離乳食のレパートリーに加えていきましょう。
離乳食の後期くらいになって、噛む事ができる様になったらみかんのうす皮をむいて、果肉だけを取り出して与えます。
薄皮つきのまま食べさせるのは、もう少し後にした方が無難です。
2歳近くなっていて、喉につまらせる心配がなければというのが条件です。
喜んで食べるからといって、沢山あげすぎるとお腹を下す原因にもなりかねません。
程々に注意しながら与えていきましょう。
みかんの栄養は、ビタミンCがダントツです。
しかし、みかんの栄養はビタミンCだけではありません。
ビタミンCの他にもビタミンA、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチンなど沢山の栄養が含まれています。
風邪にはみかんと、昔から言われてるのもうなずけます。
昔はビタミン不足を補うために果汁をあげていた
蛇足になりますが、ひと昔前のおばあちゃん世代の人はなぜ?赤ちゃんに果汁をあげましょう言ったのでしょうか?
私が知人から聞いた話なので参考文献がありませんが、だいたいこんなことのようです。
それは、昔の粉ミルクは、今の粉ミルクほど良くできていなくて、ビタミンが少なかったんです。
ですから、足りない栄養を果汁で補っていた、というのを聞いた事があります。
ちなみに、うちの母は「私の世代は母乳は栄養がないから、粉ミルクをあげましょう」と言われてたと言ってました。
果汁もご多分にもれず与えられていました。
今は、母乳が見直されて母乳をあげましょうと言ってますね。
子育ての事情も時代と共に色々と変わってきますね。
色々ありますが、赤ちゃんと楽しい食事の時間を過ごせるといいですね。
果汁は便秘気味の時に少しずつ与える
- 果汁を必ず飲ませる必要はない
- 果汁を飲ませると母乳を飲まなくなる可能性がある
- アレルギー27品目に、もも、りんご、バナナ、キウイが入っている
- 赤ちゃんが便秘の時には果汁をあげると効果的
- ひと昔の粉ミルクは栄養が少なかったため、果汁で栄養を補っていた
赤ちゃんに果汁を無理に与える必要はありません。
あくまでも母乳を基本に考えてください。
ただし、赤ちゃんが便秘気味の時はアレルギー反応を見ながら少しずつ与えるのがベストです。