味の素やうまみ調味料を、オーストラリアではMSG(エムエスジー)といいます。
グルタミン酸ナトリウム(Monosodium Glutamate)の省略です。
そして、たまにレストランで「NO MSG」=味の素などうまみ調味料は使用してません、と大きく書いてあったりします。
また最近ですが、日本人の友人がMSGアレルギーだったことが分かったんです。
そこで、味噌や醤油など一切MSGを使わないものに買い換えたそうです。
すると、快適にすごせるようになったと聞きました。
味の素は食べても安全なのでしょうか。
特に、小さいお子様がいる家庭では健康に気を使いますよね。
調べたので参考にしていただければと思います。
目次
味の素の成分
味の素の成分の97%が「グルタミン酸ナトリウム」です。
グルタミン酸ナトリウムとは、主に昆布のうま味です。
原料は、さとうきびの糖蜜を使っています。
そして、残りの3%が、「イノシン酸ナトリウム」と、「グアニル酸ナトリウム」。
イノシン酸ナトリウムは、かつお節、煮干、肉類等のうま味。
グアニル酸ナトリウムは、椎茸のうま味です。
原料は、タピオカと、とうもろこしのでんぷんです。
これらの原料を発酵させて、うま味調味料になります。
参考:商品に関するご質問
簡単に言うと、味の素は
- サトウキビ
- タピオカ
- とうもろこし
からできていると言えます。
別におかしな成分が入っているわけではなさそうですね。
ただ、本来であれば、旨味の成分である
- 昆布
- 鰹節
- 煮干し
- 肉類
- しいたけ
これらが原料だったら、もっとよかったかなと思います。
でも、多分、値段がすごく高くなるんだと思います。
昆布や鰹節の旨味をサトウキビやとうもろこしで実現したのは、間違いなく味の素さんの企業努力でしょうね。
なぜ味の素は評判が悪いのでしょう?
しかし、味の素と言う調味料は、正直、万人に評判がいいとは言えません。
むしろ、「アンチ味の素」な人もいます。
「絶対にうま味調味料は食べないし、子供にも友達にも食べさせない!」
と言う意見を耳にしたこともあります。
塩や砂糖で、ここまで強烈な意見を持っている人はなかなかいません。
では、なぜ味の素はこんなに評判が悪いんでしょう。
それには、いくつかの原因があったのです。
過去、石油が原料だった時代があった
かなりショッキングな原因ですが、味の素が、石油から作られていた、と言う事実です。
現在は、石油を原料にしていません。
先ほどもお伝えした通り、サトウキビ、タピオカ、とうもろこしが原料です。
しかし、実は、1950~1970年代には、石油の成分を使って作っていたことがありました。
安全をうたっていましたが、微量ながら石油の成分が残っていることが分かり、製法を変えたようです。
- 1950~1970年代:石油由来の原料から合成法と呼ばれる製法
- 現代:サトウキビなどを発酵させる発酵法
このように、製法そのものが変わっています。
しかし、このことで、味の素やうまみ調味料のイメージダウンは避けられないものとなりました。
中華料理店症候群の風評被害
そして、1968年にアメリカでは、「中華料理店症候群」と呼ばれる健康被害を訴える人が多くなりました。
中華料理店で食事をした後に起こるそうで、
- 頭痛
- 発汗
- 顔のほてり
- 背中の感覚がなくなる
- しびれ
- 眠気
などの症状が起こったそうです。
当時、中華料理店では、大量のうま味調味料を使うことがありました。
なので、食事をした人が体調不良になったのは、味の素が原因ではないかとの見方をする人が多かったのです。
もっとストレートに「グルタミン酸ナトリウム症候群」と呼ぶ人もいます。
しかし、この「中華料理店症候群」、うまみ調味料が原因ではないとされています。
もともと評判を落としていたところに、立て続けに疑わしい事例が起きたので、風評被害が起きました。
またもやイメージダウンです。
不思議なことに「中華料理店症候群」がピタリとなくなった
しかし、中華料理店症候群に関して、とても気になることがあります。
それは、「1970年以降には、中華料理店症候群の報告はほとんど見られなくなった。」と言う事実です。
なぜなんでしょうね?
- 世界中の中華料理店が、一斉に健康的なレシピに変えた?
- 1970年以降の人間は、体が頑丈になった?
いやいや、違うでしょうね。
やっぱり、ちょっと疑わしいわけですよ、うまみ調味料って。
化学調味料と呼ばれる理由
もう一つ、味の素やうまみ調味料のイメージを悪くしているものに、「化学調味料」という呼び名がありますね。
いかにも体に悪そうな響き・・・
これって実は、NHKが始めた呼び名です。
NHKって特定の商品名を放送できませんよね。
なので、味の素を指して化学調味料と呼ぶようにしたそうです。
現在は、「化学調味料」とは呼ばず、「うま味調味料」と言う表現に変わっています。
ねずみに大量のMSGを与えた結果
ねずみを使った実験で、1日4倍の量のMSGを摂取して、脳障害が起こったという結果は、有名のようです。
また、近年では幼い頃からMSGを多量摂取したねずみは、肥満および糖尿病となるという結果が出ました。
もちろん、ねずみでの実験です。
まあ、とにかく大量に摂取した場合の実験ですが、注意したいです。
あなたも知らない間に食べている!
この味の素やうまみ調味料、調べてみたらいろんなところに入っているのですね。
- インスタントラーメン
- コンビニなどでのお弁当
- 出汁入りの味噌
- ふりかけ
- お漬物の素
- カレーのルー
- お菓子やスナック
- ソーセージやかまぼこ
さっと振りかけるだけで、料理をおいしくしてくれる味の素やうまみ調味料。
ですが、知らず知らずに摂りすぎているかもしれません。
あなたが、外食やコンビニ弁当が多いならちょっと注意してください。
うま味調味料が入っている食品の見分け方
食品のパッケージに、調味料(アミノ酸)と記載されていたら、それがうま味調味料のことです。
どうしてこんなに紛らわしい書き方をするのかは不明ですが、「何か後ろめたいことでもあるのか?」と疑ってしまいます。
うま味調味料に害はないことは繰り返し確認されているようですが、気になる方は、パッケージをよく見てから買いましょう。
母体や乳児に影響はあるのか
日本うま味調味料協会によると、妊婦が味の素などのMSGを食べても胎児に影響はないとのことです。
しかし、うま味調味料は食品添加物ですので、食べたくない妊婦さんもいると思います。
その場合は、食品のパッケージに調味料(アミノ酸)と記載がないものを選びましょう。
当サイトでの結論
しかし、日本に住んでいたら味の素などのうま味調味料を全く摂らないのは不可能です。
それに、安全性についても何度も何度も確認されているのです。
(その安全性が真っ赤な嘘ならどうしようもありませんが・・・)
つまりは、摂取する量をきちんと気をつけること。
これが大事です。
たまに、街の中華料理店で見かける光景です。
中国人の料理人が、鉄のおたまでうま味調味料をごそっとすくって、中華鍋の中に放り込むのを見ます。
味の素の小ビンの半分ぐらいの量でしょうか・・・?
味の素の公式サイトだと、味の素の一回の使用量は0.5グラムで十分だそうです。
さっさと、4回振りかけるだけです。
つまりは、この中華料理店、完全に使いすぎです。
外食やコンビニでは、うま味調味料を大量に摂取してしまう可能性もあるので、その点を一番注意すべきでしょう。
おわりに
MSGを使うと、一段とおいしい料理がつくれる魔法のような粉です。
しかし、何事にも食べすぎは身体によくありません。
たとえ身体にいいとされるものであっても、毎日それだけ大量にとっても身体にいいことはありません。
バランスよく、いろんなものを少しずつ、食べるように気をつけましょう。
特に便利な日本では、MSGにあふれています。
たまには、愛情たっぷりに、鰹節や昆布からの出汁でお味噌汁を作ってみてはいかがでしょうか。