結膜炎(けつまくえん)とは、白目とまぶたの裏側を覆っている半透明な膜(結膜)が、刺激や微生物感染などにより炎症を起こした状態です。
結膜炎というとすぐに治るイメージもあるかもしれませんが、保育園や学校に通っている子供は結膜炎になってしまう可能性がとても高く、感染力も高い病気になりますので注意が必要です。
子供は、よく熱を出したり風邪をひいたりしがちですが、保育園に通っている子供が結膜炎になり困っているお母さんも少なくないかと思います。
そういった場合、保育園をお休みした方がいいのか悩みますよね。
また、結膜炎というと人から人へ移ってしまうイメージがありますが、夏のプールでも移ってしまうのでしょうか。
特に子供が結膜炎になった場合、プールに入らせてはいけないのか悩むお母さんやお父さんも少なくありません。
子供が結膜炎になった場合の保育園への対応について詳しく紹介していきます!
目次
結膜炎の種類
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は花粉やハウスダスト、ダニやほこりなどの特定のものに反応し引き起こる結膜炎になります。
症状としては、まぶたがかゆくなったり白っぽい目やにが出ます。
それぞれの体質で起こる結膜炎なので人に移ったりはしません。
症状もウイルス性結膜炎に比べ目やには少なく目がかゆくなったりします。
細菌性結膜炎
細菌性結膜炎は、目の結膜に細菌が付着して感染して引き起こされる病気です。
黄色い目やにが主な特徴で、感染することはほとんどありませんが、小さい子供や免疫力が低下している人には感染することがあります。
流行性角結膜炎
流行性角結膜炎は主にアデノウイルスによって引き起こり、”はやり目”とも言われています。
目の充血やまぶたに裏にボツボツとしたものができることがあります。
アデノウイルスとは風邪や結膜炎など、様々な病気の原因となるウイルスで、現在51種類の型が確認されています。
夏に流行しますが、一年中感染の可能性があります。
目が充血したり目やに、痛みなどの症状が起こり10日ほどでよくなります。
ウイルス性の結膜炎のため感染します。
関連記事アデノウイルスに子供が感染したら保育園はいつまで休む?主な症状と対策
咽頭結膜炎
咽頭結膜炎は充血、目やにの症状や、喉の痛み発熱など風邪と同じような症状がみられます。
10日ほどでよくなります。
また、子供がプールに入る際に感染することが多いことから咽頭結膜炎は”プール熱”とも言われています。
子供がプールに入った日には、目をこすっていたり、目やにが出ていないかなどを確認をしてあげるのも咽頭結膜炎予防のために大切です。
ウイルス性の結膜炎のため感染します。
急性出血性結膜炎
急性出血性結膜炎はエンテロウイルスによって起こり、目が充血したり、感染力は強いです。
充血や目やにといった症状は他の結膜炎と変わりませんが、特に目の充血がひどくなるのが特徴になります。
急な強い目の痛みや異物感、光を異常にまぶしく感じるといった症状があります。
1~3週間ほどでよくなります。
結膜炎になったら保育園の登園は医師の判断が必要
仕事をしているお母さんは特に保育園をどれくらいお休みさせなければならないのか、いつ登園させたらいいのか気になりますよね。
実際には医師の判断により「感染の恐れがない」と判断された場合に登園することができます。
しかし、先ほど紹介したように結膜炎には種類や症状がいくつかあります。
その中で、保育園をお休みいなければならないのは、
- 流行性角結膜炎
- 咽頭結膜炎
- 急性出血性結膜炎
上記3つの「ウイルス性結膜炎」です。
ウイルス性結膜炎の場合、登園してはいけないことは「学校保健安全法」という法律で決められています。
ウイルス性は、結膜炎の中でも感染力が強いため登園停止になります。
結膜炎のほとんどが10日ほどで良くなります。
しかし、症状によっては、早くて2、3日で登園できたりと差があるようです。
また保育園によっては医者の診断書を必要とする場合もあるようで、症状が落ち着いたら再度病院で診てもらう方がいいかもしれません。
アルコール除菌はウイルス性結膜炎には効かない
ウイルス性結膜炎を引き起こすアデノウイルスにはアルコール除菌は通用しません。
アデノウイルスやノロウイルスは、「ノンエンベロープウイルス」と呼ばれ、アルコールに強い耐性を持っています。
感染者が触れたドアノブやトイレを除菌するときはキッチンハイターを薄めて使います。
薄め方はキッチンハイターのラベル裏に書いてありますが、1リットルの水に2ミリリットル混ぜるだけで効果を発揮します。
2ミリリットルというと、小さじ半分よりちょっと少ない量です。(小さじ一杯は5ミリリットル)
子供が結膜炎になってしまったら?仕事は?
結膜炎に関わらず子供が病気になってしまった場合には看病していると自分にも移ってしまう可能性は高いです。
仕事も休むのがベストかもしれませんが、結膜炎は治るまで長いのでずっと休むわけにもいかないですよね。
もし子供が病気になってしまい保育園に登園できない時には、病児保育や住んでいる地域のファミリーサポートなどを1度利用してみるのもいいかもしれません。
そして子供が結膜炎になってしまったら、感染を防ぐために家庭では、
- 同じタオルを使用しない
- 目をこすらない
- 手洗いを徹底する
など特に接触感染には注意が必要です。
小さな子供だと、なかなか眼帯をするというのが難しいため、目に触れないように気をつけましょう。
結膜炎の二次感染しないための対処法
結膜炎だけに限らず、病気を人に移したり移されたりするのはいやですよね。
もしも自分や子供がウイルス性の結膜炎に感染してしまったときには人に移さないように二次感染予防することが大切です
結膜炎の二次感染予防のための対処法を紹介します。
素早く医者にかかる
結膜炎はとにかく早めに処置することが大切です。
目のかゆみ、目の違和感、目やになどの症状が少しでも感じるときはすぐに病院で診てもらいましょう
まずはウイルス性のものかアレルギー性のものか判断してもらうことが大切です。
アレルギー性の場合は、人へ移ることもなく、症状が軽ければ通常通り学校や保育園へ行くこともできるので、結膜炎になったからといって、必ずしも感染力があるとは限らないようですね。
ちなみに、市販で買える結膜炎用の目薬は、アレルギー性結膜炎と細菌性結膜炎用しかありません。
ウイルス性の結膜炎は風邪と同じく特効薬がないため、結膜炎の症状がひどい場合には眼科で処方してもらうことをおすすめします。
タオルの共有は避ける
結膜炎になると涙が出ることもあるので拭うこともあると思いますが、ティッシュ使用時はすぐに捨て、タオル等は共有しないようにしてください。
目に触れたタオル等は家族でも同じものは避けて使うと親から子へ、子から親への感染を防げるかもしれません。
ウイルス性の結膜炎だと判断された場合には、身近な人に移してしまう可能性が高いです。
なので、目やにを拭き取るときにはティッシュペーパーを使い、使用するタオルやハンカチも家族とは別のものを使用しましょう。
手洗いの徹底
人がよく触れる場所を別の人が触れることによって感染していきます。
そのためドアノブや蛇口などに触れたあとには手洗いしたり、必要に応じて消毒するといいかもしれませんね。
ウイルス性結膜炎を引き起こすアデノウイルスには「手ピカジェル」などのアルコール消毒は効きません。
ただし、手ピカジェルをパワーアップさせた「手ピカジェルプラス」なら効果が期待できます。
できるだけ目は触らない
結膜炎になると子供はどうしても目をこすってしまったり直接触ったりとなかなか大変だと思います。
私も以前結膜炎になったことがありますが、とにかく目がゴロゴロするし、目をこすりたくなってしまうんですよね。。。
小さい子供なら余計に目を触りたくなってしまうと思います。
なので、触れるときはティッシュを使ったりと直接触れないようにしてあげてください。
子供だと目をどうしても触ってしまうかもしれませんが、結膜炎の対処法としては目を清潔に保つことが必要です。
保育園や仕事はお休みし、人ごみは避ける
人に移さないようにするには、ウイルス性結膜炎だとわかってから、すぐに保育園などはお休みするといいでしょう。
アレルギー性結膜炎は人に移す心配がないので、病院で診断書を書いてもらうと証明になります。
子供の結膜炎まとめ
結膜炎になったことのある人もない人も、結膜炎になってしまったときにはまずは人に移さないように意識することが大切になってきます。
1番感染しやすいのは、家族内での感染など身近な人だと思いますので予防と対策をしていきましょう!
そして接触感染のため100%防ぐことは難しいかもしれませんが、夏のプールには要注意です。
保育園では集団行動のため、免疫のない小さな子供は結膜炎になりやすいです。
接触感染や砂場などで一緒に遊んでいて感染してしまうケースもあります。
もし、子供が目やにが出ていたり、よく目をこすっているような仕草があれば、すぐに小児科や眼科で診てもらうことが重要ですね。
また、結膜炎には種類があるので、アレルギー性なのかウイルス性なのかしっかりと判断してもらい、家庭内感染も気をつけるなど対策していきましょう。