ある日突然、子供の薄毛に気がついたらどうしますか。
子供が毛を抜き続けているところを見たら、どうしますか。
病気なのか、癖なのか・・・
心配になりますよね。
今回は、思春期の子供に多い、抜毛症についてお話しますね。
目次
抜毛症(ばつもうしょう)ってどんな症状なの?
抜毛症とは、「毛を抜いてはいけない」と分かっていても、行為を抑えることが出来ず、他人から分かるほどの脱毛状態になるまで、体毛(髪の毛・眉毛・まつ毛等)を抜いてしまう精神疾患です。
抜毛症には、毛を抜いている意識のある抜毛と、いつの間にか抜いている無自覚の抜毛があり、多くの場合が両方の症状が組み合わさっています。
繰り返し毛を抜いてしまうと、毛が生えにくくなったり、毛質が変わってしまう事があります。
また、抜いた毛を飲み込んでしまい、毛髪胃石・腸閉塞・栄養失調などの症状を引き起こすことがあります。
抜毛症のきっかけは、どんなことがあるの?
抜毛症には、不安・不満・緊張などのストレスが、大きく関係していると言われています。
うまく解消できないストレスを和らげるために、「抜毛」という行為をしてしまうのです。
また、小さな子供の場合、暇つぶしや快感に感じてしまったことがきっかけで、癖になってしまう事もあります。
子供が毛を抜く「抜毛症」の原因は?
抜毛の原因は様々ですが、原因として多いものをいくつかご紹介しますね。
① 気持ちを落ち着かせるため
何かに集中していると、緊張が和らぐことってありますよね。
イライラや緊張を和らげるために、毛を抜いてしまう事があります。
② 快感だから
意外に感じるかもしれませんが、子供に多い原因の一つなんです。
抜く時の痛みや感覚が快感で、毛を抜いてしまう事があるのです。
③ 退屈だから
手持無沙汰な時にペンを回したり、髪の毛を触ること、大人でもありますよね。
子供も同じです。
暇つぶしで毛を抜いてしまう事があるのです。
④ セロトニンの不足
セロトニンとは「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のひとつです。
心のバランスを保ち、精神を安定させる働きがあります。
セロトニンが不足すると、寝付きが悪くなる、感情のコントロールが出来なくなるなどの影響が出ることがあります。
抜毛の原因は、精神的な理由がほとんどで、セロトニンの不足が抜毛の原因になることがあるのです。
セロトニンを増やすには、適度な運動・日光浴を心がけることが有効とされています。
また、肉類や乳製品などに含まれる「トリプトファン」を摂るのも効果的なので、食生活や日常生活も見直してみてくださいね。
⑤ ストレス・不安の解消
対人関係や家族関係、勉強が、ストレスや不安の要素となり、それを解消するために毛を抜いてしまう事があります。
⑥ 遺伝
遺伝と聞くとヒヤッとしますよね。
抜毛症は遺伝することはないそうですが、子供は思っている以上に親を観察しています。
親の真似をしていたら、癖になってしまったなんて事が、あるそうです。
抜毛症の年齢層は?
抜毛症は、小学生の高学年から高校生くらいまでの、思春期に多く見られます。
対人関係や、勉強、就職と、ストレスを感じやすい年齢がこのころなのでしょうね。
年齢や環境とともに、自然と治る子もいれば、抜きたい衝動が強くなる子もいるため、日ごろからお子さんの様子をしっかりと見てあげてくださいね。
家庭環境は関係あるの?
抜毛症には精神面が大きく影響しているため、家庭環境が原因になることもないとは言い切れません。
虐待・過度な躾・愛情不足などが原因で、不安や寂しさを和らげるために、毛を抜いてしまう事もあります。
お子さんの話をたくさん聞いて、たくさん遊んで、たくさんギューしてあげてくださいね。
子供が抜毛していることに気づいたら親はどう対処する?
気をつけなければいけないのは、怒ったり深刻になったりしないことです。
「親に知られたら怒られる」「自分は悪いことをしているんだ」と子供が感じてしまうと、気持ちを吐きだすことが出来なくなり、隠れて毛を抜くようになってしまいます。
どんなことに不安や不満を感じているのか、日常会話の中で見つけ、解消のお手伝いをしてあげてください。
また、たくさんスキンシップをとって、愛情をたくさん注いでくださいね。
抜毛症はどの診療科に行くべき?
症状が酷い場合は、専門医の手助けも大切です。
抜毛症の症状に気がついたら、精神科・心療内科・皮膚科のいずれかを受診しましょう。
抜毛症の治療には、時間がかかることが多いので、先生との相性も大切になります。
子供の治療のために受診する際は、事前に大人だけで相談に行き、どんな先生なのかを知っておくのもおすすめです。
抜毛症の治療法は、認知行動療法と薬物療法があります。
① 認知行動療法
毛を抜いてしまうきっかけやタイミングを等を知ることで、対策を考える治療法です。
家族のサポートなども受けながら、完治を目指していきます。
② 薬物療法
「抜毛症を治す薬」はありませんが、抜毛の原因が精神的なものの場合、治療に薬を使う事があります。
ただし、子供の場合、副作用の懸念から薬の服用には十分に慎重になる必要があります。
まとめ
- 子供の薄毛の原因は、「抜毛症」の可能性があります。
- 抜毛症の原因は不安や不満などのストレスや、癖と様々です。
- 抜毛症は、思春期に多い。精神的な病気です。
- 子供の抜毛症に気がついたら、怒らずに見守りましょう。いっぱい話を聞いて、今以上に愛情を。
- 抜毛症の治療には、専門機関を受診しましょう。
あとがき
私、今まで「抜毛症」と言う病気を知りませんでした。
今回、記事を書くのをきっかけに色々調べ、症状や状況を知ったのですが、幼い頃自分にも経験があることに気がつきました。
自然と治ったのですが、一部だけ今でも毛の生えてこない場所があります。
思い返せば、身近な人が続けて亡くなった事で、不安や寂しさ、後悔など、様々な感情があった頃で、幼いながらに大きなストレスになっていたようです。
メンタルが影響しているので、難しい病気ではありますが、周りの愛情が大きな薬になるのは間違いありません。
焦らずに、ゆっくりと向き合ってくださいね。