初めてオーストラリアに来た日からもう18年が経ちます。
オーストラリアで生活していると、日本の子育ての違いに驚くことが日々あります。
今日は代表的な3つの体験談をご紹介します。
1.出産なのに日帰り入院?!
オーストラリアでの出産は入院期間が日本に比べるとかなり短いことはご存知でしょうか?
日本の産婦人科だと、1週間ほどの入院になると思いますが、オーストラリアは違います。
実際に体験すると驚くことがたくさんありました。
3人目を妊娠した友人は、公立病院で朝出産し、当日の夕方には帰宅したそうです。
私自身、1人目は、予定日より1週間早く破水し逆子の為、私立病院で緊急帝王切開となりました。
それでも入院期間は3泊4日。
大きな手術をしたことがない私にとって傷口は痛むし、思うように動けない。
母乳は出ないから子供の体重も増えないで看護士さんにお世話になるばかりでした。
が、ある看護士さんに
「出産は病気じゃないのよ。傷口は動けば動くほど治りが早くなるからできるだけ歩きなさい。」
と言われ、日本の床上げは1ヶ月と言われる中、だいぶスパルタだとビックリしました。
でも、入院期間は短いですが、退院数日後には看護士が自宅訪問し生後10日前後のチェックと家での不安なことを聞いてくれます。
しかもこの訪問はオーストラリアの国民健康保険=メディケア(Medicare)に入っていれば無料です。
2.マザーズグループは一生の友達?!
初めての出産の入院期間中、一枚の紙を渡されました。
そこにはマザーズグループのお知らせがあり、約2ヶ月後の集合場所と時間が書いてありました。
どうせ知らない人ばかりだし、人見知りの私は緊張するので行くかどうか迷いました。
でも、2ヶ月経つと初めての子育てについて色々と疑問や葛藤でいっぱいになっていたので、ヒントを求めて行ってみることにしました。
いわゆる市の育児支援所のような場所に同じ頃出産したママ達20人ほどとその赤ちゃん達と専門の看護士がいました。
私の場合、入院期間中は母乳が全く出ませんでした。
でも、2ヶ月後、今度は、母乳が出すぎて赤ちゃんがむせたり吐いたりするように。
また、片方だけでお腹いっぱいになるので片方が石のように硬くなり痛くて腫れてしまいました。
これらの悩みは、「母乳が全然出ない」という悩みをもつママが多数いる中では言い出しにくいですよね・・・
その時は、やはり同じ悩みを持っていたママが代わりに質問してくれて助かりました。
そのうち、だんだん慣れて、自分でも質問できるようになりました。
これらの経験は、母としても1人の人間としても成長できた場所だと思っています。
また、会社の同僚や学生時代の友人などとは違い、今まで出会ったことのない人種との出会いは、人生の幅が広がったようにも思えます。
子供が小学生になった今でも一緒に遊び、ときには悩みを相談したりと一生の友達になるのではないかと勝手に妄想してます。
こんなシステム、日本にもあればと思います。
3.公共の場でも堂々と授乳?!
日本人である私は、公共の場での授乳には抵抗があり、授乳カバーを使っていました。
オージーママは、こちらが恥ずかしくなるほど所構わず堂々と授乳しており、カバーを使って授乳するのは少人数派です。
あるママに恥ずかしくないのか聞いたところ、
「赤ちゃんにとって母乳は栄養補給であり安心できるものだからわざわざ隠すことはない。
あなたも食べるときに、隠れて食べたりしないでしょう」と言われたことがありました。
また、「1人が隠し始めれば、他の人も公共の場で授乳しづらくなる。
そんな世の中にしたくない。」とも言ってました。
母乳ママの思いやりの団結力とでもいうのでしょうか。
なんだか温かい気持ちになりました。
それから、産後の入院中にこんなサプライズが。
私立病院の退院1日前には、生まれたばかりの子供を看護士が預かってくれました。
そして、「夫婦だけの夕食に行って来なさい」とばかりに3時間ほどの外出が許されました。
この時は、夫婦で大好きなフレンチレストランへ行きました。
うまく母乳が出なかったり、慣れない夜中の授乳でストレスがたまっていたし、レストランなんて子供が落ち着くまで来れないからと、存分に楽しみました。
最後には出産の感謝を込めて花束をもらいました。
こんなチャンスをくれた病院もオーストラリアならではの粋な計らいでしょう。
まとめ
- オーストラリアの出産入院は日帰りになることもする。
- 同じ時期に出産したママのマザーズグループが心強い。
- オージーママは公共の場で堂々と授乳するのが多数派。