アデノウイルスに子供が感染したら保育園はいつまで休む?主な症状と対策

幼稚園から帰宅すると、少し前まで元気だった子供が急にぐったり。

様子を窺うと、目が充血していて高い熱!喉が痛いと食べ物も受け付けない!

どうしてしまったのか、何か大きな病気にかかってしまったのでは?!

大切な我が子の元気がないと、とても心配になります。

その症状、アデノウイルスかもしれません。

子供が集団生活をするようになり、多くの人と接触する機会が増えると、どうしても避けて通れないのが病気です。

特に幼いうちは、対処法を間違えると重症化してしまうケースも少なくありません。

子供が病気になってしまうと元気がなく心配なのはもちろんですが、子供を預けて仕事をしていると、看病のため休まざるを得なくなることも頭の痛い問題ですよ。

夏に流行する病気「アデノウイルス」は、感染力が強く、症状が長引くことで有名です。

今回はアデノウイルスに感染してしまった時の登園、症状、対処法などについてご紹介します。

アデノウイルスとは?

アデノウイルスとは風邪や結膜炎など、様々な病気の原因となるウイルスで、現在51種類の型が確認されています。

夏に流行しますが、一年中感染の可能性があります。

症状によってA~Fの6種類に分けられ、型によって現れる症状が異なります。

アデノウイルスは型が多いため免疫がつきにくく、特に子供は何度も感染してしまうことがあります。

アデノウイルスが原因の症状の中で、「咽頭結膜熱(プール熱)」「流行性角結膜炎(はやり目)」は、出席停止の基準が定められています。

  • A:幼児の肺炎
  • B:上気道炎、肺炎、咽頭結膜熱、出血性膀胱炎、間質性腎炎、
  • C:上気道炎、肺炎、肝炎
  • D:流行性角結膜炎
  • E:上気道炎、肺炎
  • F:幼児の胃腸炎

アデノウイルスの症状

アデノウイルスの症状
  • 高熱
  • 咽頭炎
  • 結膜炎

アデノウイルスは感染すると、一般的な風邪のような症状も出ますが、特徴となる症状は上記3つです。

まずは高熱です。

普通の風邪とは異なり、38度~40度程の高熱が5日前後続きます。

アデノウイルスはプールで感染することが多いため「プール熱(咽頭結膜熱)」とも言われますが、日常生活でも感染します。

続いて咽頭炎(いんとうえん)です。

咽頭炎とは、のどが炎症することですが、咽頭炎になると痛みや違和感、声がれや声が出にくくなるといった症状がでます。

最後に流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)です。

瞼の腫れや酷い目の充血が特徴で、角膜に点状の濁りが現れることもあります。

目の充血や目やにが酷くなると、目が開けられなくなることもあります。

流行性角結膜炎は「はやり目」とも言われています。

アデノウイルスに感染すると高熱と、のどの痛みが強いため、脱水症状には十分な注意が必要です。

関連記事子供が結膜炎になったら保育園は休む?登園の条件と二次感染予防のための対処法

アデノウイルスに感染したら保育園登園は学校保健安全法に則って判断する

(出席停止の期間の基準)

第十九条 令第六条第二項の出席停止の期間の基準は、前条の感染症の種類に従い、次のとおりとする。

一 第一種の感染症にかかつた者については、治癒するまで。

二 第二種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く。)にかかつた者については、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。

イ インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで。

ロ 百日せきにあつては、特有のせきが消失するまで又は五日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで。

ハ 麻しんにあつては、解熱した後三日を経過するまで。

ニ 流行性耳下腺炎にあつては、耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫ちようが発現した後五日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで。

ホ 風しんにあつては、発しんが消失するまで。

ヘ 水痘にあつては、すべての発しんが皮化するまで。

ト 咽頭結膜熱にあつては、主要症状が消退した後二日を経過するまで。

チ 新型コロナウイルス感染症にあつては、発症した後五日を経過し、かつ、症状が軽快した後一日を経過するまで。

三 結核、髄膜炎菌性髄膜炎及び第三種の感染症にかかつた者については、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。

四 第一種若しくは第二種の感染症患者のある家に居住する者又はこれらの感染症にかかつている疑いがある者については、予防処置の施行の状況その他の事情により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。

五 第一種又は第二種の感染症が発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

六 第一種又は第二種の感染症の流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

学校保健安全法

高熱などの症状が治まるとケロッと元気になっているのもアデノウイルスの特徴です。

子供に症状が強く出ている間は、もちろん家庭での休養が必要です。

ですが、ケロッとしているとそろそろ登園しても大丈夫かな?と考えたりするかと思います。

しかし、咽頭結膜熱・流行性角結膜炎は、「学校保健安全法」という法律により、登園・登校の基準が定められています。

学校保健安全法によると、咽頭結膜熱は主要症状が消退した後、2日を経過するまで出席停止です。

流行性角結膜炎は感染力が無くなったと医師が判断するまで出席停止です。

なので咽頭結膜熱は治癒証明は不要。

流行性角結膜炎は治癒証明が必要ということになります。

ただし、アデノウイルスは非常に感染力が強いことから、保育園によってルールが決まっている場合もあります。

念のため通っている保育園に登園に関するルールを確認した方が良いかもしれません。

アデノウイルスの感染経路と潜伏期間

アデノウイルスの感染経路は3つあります。

  • 飛沫感染(くしゃみや咳などの飛沫)
  • 接触感染(涙・鼻水・唾液などの分泌物部に触れる)
  • 糞口感染(便などに触った手から口に入る)

潜伏期間~回復期間までの長期間感染の可能性があるほど、感染力がとても強いため、集団生活をする子供たちの間であっという間に広がります。

症状が治まっても2週間ほどはウイルスが体内に残っているため、二次感染には十分に注意が必要です。

  • 潜伏期間:5日~7日
  • 発症期 :3日~5日
  • 回復期 :発症から約2週間

子供がアデノウイルスに感染してしまったら

アデノウイルスは非常に感染力が強いため、アデノウイルスの症状がでたら早めに病院を受診しましょう。

症状によって対処療法として薬を処方されることはありますが、効果のある抗ウイルス薬は今のところないため、自宅で安静にしながら回復を待ちます。

自宅で休養する際は、脱水症状にならないようしっかり水分補給(経口補水液がおすすめ!)をし、やわらかく煮たうどんやおかゆなど、のどごし・消化にいい食事で栄養補給をしましょう。

経口補水液といえば、OS-1が代表的ですね。

消費期限は12ヶ月あるので、箱買いがおすすめです。

突然の発熱など、急に必要になった時は、手作り経口補水液で代用できます。

経口補水液は水、砂糖、塩しっかり混ぜるだけで作れるので、手作りでも経口補水液で水分の確保をしてください。

アデノウイルスに感染してしまったら高熱が続きますが、水分をしっかり摂り、おしっこが出ていれば基本的には大きな心配はいりません。

ただし、下記のような時は早急に受診しましょう。

  • 高熱が続いている
  • けいれんが5分以上続く
  • 嘔吐を繰り返す
  • のどの痛みが強く、水分や食事がとれない
  • 呼吸がおかしい

アデノウイルス二次感染予防

二次感染を防ぐため以下の事にも気をつけましょう。

  • 帰宅時、トイレ・おむつ交換後などの手洗いの徹底
  • 解熱後はお風呂に入れますが、感染者は入る順番を最後にする
  • おむつなどはビニール袋などに入れて処理する
  • 洗濯物は別に洗う
  • タオルや食器などを共用しない
  • 子供が良く触るものを消毒する
  • マスクをする

アデノウイルスは感染力の強さから、看病しているお母さんや一緒に暮らしている家族が二次感染する可能性も高いので、マスクの着用や、うがい・手洗いなどの予防も徹底してください。

万が一感染してしまった場合、大人の出社基準は法律では決まっていませんが、出社することで、さらなる二次感染や症状の悪化にもつながります。

消毒液の作り方と消毒の仕方

消毒の際は55度以上のお湯で30分以上の加熱、もしくは次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイタ―)を薄めた消毒液に浸けると良いです。

タオルを消毒するときは1リットルの水に6ミリリットル(キャップ1/3)を混ぜます。

30分浸した後、水洗いしてください。

食器を消毒するときは1リットルの水に10ミリリットル(キャップ半分)を混ぜます。

30分消毒液に浸した後、水洗いしてください。

ドアノブなどを消毒するときは1リットルの水に2ミリリットル(キャップ1/10)を混ぜます。

消毒液をタオルに含ませ、感染者が触れた部分を拭き取ります。

子供のアデノウイルス感染まとめ

子供がアデノウイルスに感染してしまったら看病のために仕事を休まなくてはいけないことが多く、肩身が狭く感じてしまう事もあるかもしれません。

ですが、それも小さなうちだけです。

成長するにつれて免疫力がつき、病気になることも減っていきますので、あまり考えこまずに無理をしないでください。

長期間仕事を休むのが難しい場合、お父さんにも協力してもらったり、ファミサポなどのサービスを利用してみるのも方法ですよ。

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