卵って、「完全栄養食品」と言われているのはご存知ですか?
体に良い栄養がたっぷり入っているのだとか。
昔から、風邪をひいたら卵酒などともいわれていますね。
その反面、アレルギーやら色々といわれていて、一体、どっちなの?と思う食品でもあります。
特に、卵白と卵黄は食べ始める時期をずらすべきという意見があり、難しいところです。
離乳食の卵黄について、お話ししていきたいと思います。
目次
黄身は離乳食の中期から、白身は後期から与える
離乳食の卵は、一般的に離乳食の中期から、黄身(卵黄)だけを与えるとされています。
白身(卵白)はアレルギーになりやすいので、もう少し後の離乳食の後期からと言われています。
特に、胃が未発達の赤ちゃんには、タンパク質は注意して与えないといけない代表なのです。
卵は、固ゆでにして白身と黄身に分けます。
そして、初めは黄身だけを1日耳かき一杯程度、かかりつけ医のやっている時間帯に与えてみてください。
そこで、問題がなければ少しずつ増やし、日々の食事に加えていく事ができます。
もしも、問題があった場合は、かかりつけ医の指示に従ってください。
卵にアレルギーのある場合は、インフルエンザ等の予防接種を控える様にいわれる可能性があります。
これは、卵の白身をインフルエンザの薬を作る時に、使っているからといわれています。
この辺も、かかりつけ医にご相談くださいね。
卵の栄養素
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 亜鉛
- 鉄
- ビタミンA
- ビタミンB2
- ビタミンB12
- ビタミンB6
- ビタミンD
- ビタミンB
- 葉酸
巷で、卵は完全栄養食品と言われていますが、なぜなのでしょうか?
卵の栄養についてみてみましょう。
上記が卵に含まれている栄養ですが凄い栄養ですね。
卵が完全栄養食品と言われている所以(ゆえん)です。
そして、卵の卵白に含まれているリゾチームは、風邪の原因菌などを溶かす働きがあります。
リゾチームは風邪薬の成分にもなっていますね。
「こんなに栄養があるのなら、あかちゃんにも食べさせたい!!」
こう思うのが親心なのですが、赤ちゃんの胃は未発達なので、ちょっと待ってくださいね。
卵白と卵黄の栄養素を比較
区分 | エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 糖質 | 灰分 |
卵黄 | 387kcal | 16.5g | 33.5g | 0.1g | 1.7 |
卵白 | 47kcal | 10.5g | ー | 0.4g | 0.7g |
区分 | カルシウム | リン | 鉄分 | 亜鉛 | ナトリウム | カリウム |
卵黄 | 150mg | 570mg | 6mg | 4.2mg | 48mg | 87mg |
卵白 | 6mg | 11mg | 0 | ー | 180mg | 140mg |
区分 | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン |
卵黄 | 1005mg | 6mg | 0.21mg | 0.52mg | 0 |
卵白 | 0 | 0 | 0 | 0.39mg | 0.1mg |
表にしてみると、卵白の栄養素に「0」という数字が目立ちますね。
これが、「卵の白身には栄養がない」と言われるゆえんなんですね。
ですが、ボディビルダーの選手達は、卵の黄身を食べずに白身だけを1日に6個ほど食べて、あの筋肉を保っているんだそうです。
卵の白身は確かに栄養素が0のところが多いですが、タンパク質が多くてエネルギーが少ないという事が特徴です。
また、無機質であるナトリウムとカリウムも卵の黄身よりも白身の方が多くなっていますね。
まさに、卵の白身は高タンパクで低カロリーというヘルシーな食品ですね。
卵白アレルギーには注意が必要
一般的には、離乳食の中期から黄身だけを与えて、白身は離乳食の後期からです。
理由は、厚生労働省の即時型食物アレルギーの調査結果によります。
即時型食物アレルギーでは、アレルギーと報告のあった中、なんと卵が40%近く占めているのです。
卵に次いで乳製品の15%、次に小麦の8%という結果が出ました。
卵アレルギーは全体の40%にもなるのです。
この数字、大きくないですか?
さて、高タンパク質低カロリーで、まさにヘルシーな食材の卵の白身ですが、離乳食にはちょっと注意が必要になります。
なぜなら、卵の白身にはオボムコイドというアレルギーの原因になる物質が含まれているからです。
ですので、卵を離乳食に与える時は、比較的アレルギーになりにくい卵の黄身から始めましょう。
与え始める時期としては、卵黄の離乳食の場合、中期(7~8ヶ月)から始めるのが目安です。
卵の白身は離乳食の後期(9~11ヶ月)まで待って始めるのが無難です。
繰り返しになりますが、卵は厚生労働省のアレルギー一覧にも載っている食材ですので、慎重に進めていってください。
あまり神経質になり過ぎるのも子供のためにならないかもしれません。
ですが、親がアレルギーだったり、親族にアレルギーのある人がいる場合は、ちょっと注意したほうが良いと思います。
心配であれば専門家と相談の上、あげる時期をずらす等工夫しましょう。
因みに、うちの子は一歳の時に、卵焼きを食べさせたら、蕁麻疹が全身にできてしまい、病院に連れて行きました。
しばらくしてから、血液検査をした結果、卵アレルギーであることが判明しました。
「これから、ずーっと卵をあげる事ができないんだ」と、思っていました。
思っていたのですが、なんと、三歳くらいの時に卵を食べたら平気になりました。
小学生の今では普通に食べています。
調べる手見ると卵アレルギーは、三歳未満の乳幼児に多く見られるそうです。
卵アレルギーが発症する理由には様々あると思いますが、抵抗力が低くなっている時や下痢をした後は
腸管が未熟な子供は食物アレルギーになりやすいんだそうです。
ただ、アレルギーを発症してもその多くは小学生になる頃までに自然に治ることが多いようです。
子供の腸管が成熟するのは10歳前後と言われています。
ということで、腸管が発達してから卵を食べさせるのがより安全という事です。
関連記事離乳食のアレルギーの確認と進め方。こんな症状が出たら注意。検査はできる?
初めて子供に卵白を与える時の注意点
初めて子供に卵白を与える時は、念のため、かかりつけ医のやっている時間帯にしてください。
そのうえで、1日に耳かき一杯程度だけ与えて様子を見てください。
様子を見ても問題がないようでしたら、少しずつレパートリーに加えていくと良いでしょう。
卵の場合はアレルギーが出やすいので、スプーン一杯でも多すぎです。
なので、最初は耳かき一杯程度を守ってください。
また、卵の場合は加熱している方が、アレルギーになりにいです。
サルモネラ菌などの食中毒の心配がありますので、卵を与える時は必ず加熱して与える様にしてくださいね。
卵の殻に付いているサルモネラ菌に気を付ける
アレルギー以外にも生卵で気をつけなければいけないこととして食中毒があります。
卵の食中毒で一番気になるのがサルモネラ菌です。
サルモネラ菌とは、食中毒を起こす細菌性の腸内細菌の一つで、感染すると下痢や嘔吐、排便前後の腹痛などがあります。
症状が出て、1週間以内に症状は治まりますが、サルモネラ菌で亡くなる方もいるので甘くみてはダメです。
サルモネラ菌は、卵の殻の部分に付いていて卵の中身にはサルモネラ菌がいません。
そして、日本の卵は食品衛生法の指導で殻を殺菌してから出荷されているので、ほとんど心配ありません。
それでも、いい加減な保存をしていると、殻のサルモネラ菌が増殖して危険になる場合も考えられます。
卵を安全に食べる方法
- まず、冷蔵庫で保存して、賞味期限内に食べるようにする。
- 生で食べるのが不安な場合は十分加熱する。
- ひび割れた卵は生で食べない。
- 食べる直前まで冷蔵庫から出さない。
他にも、割った卵の中に殻が混ざっていると単純にサルモネラ菌に触れる危険が増しますので十分に注意しましょう。
それに、殻をガリッと噛んでしまうと非常に不快ですしね。
また、卵を洗ってから使う方もいると思いますが、洗ってから使うのは、実はやめたほうがいいそうです。
殻には、呼吸するための小さな穴があいているのですが、雑菌が入ってこないように薄い膜が覆っています。
卵を水洗いをすると、その膜がなくなって雑菌が中に入ってしまう危険があります。
ですので、卵は洗わない方が良いです。
離乳食に楽しいミニチュア目玉焼き
卵一個をまるごと与えるには量が多い時や、ちょっとだけ全卵を使いたい時には、うずらの卵が量的にはピッタリですね。
ただし、鶏卵が大丈夫でもうずらの卵はダメな時もありますので、こちらも、1さじから与えて様子をみてくださいね。
うずらの卵の目玉焼きなんて、かわいくて食欲もアップしそうですね。
かわいいお皿に盛りつけたら赤ちゃんも喜んでくれるかもしれません。
卵の代用品あれこれ
卵のアレルギーがなければ、色々とレパートリーが広がって良いのですが、もしも、アレルギーがあった場合(赤ちゃんの時だけなのかもしれません。)には卵の代用品がありますので、色々と工夫してみてくださいね。
肉のつなぎの代わりにレンコンをすりおろすのは美味しいのでおすすめです。
黄身の彩りの代わりにはコーンやかぼちゃを使うなどするとよいでしょう。
マヨネーズは卵不使用のマヨネーズが自然食品の店に売っていますので、そちらを使うようにしてください。
お菓子を膨らませるすにはベーキングパウダーを使用してください。
プリン等を固める寒天を使用してください。
離乳食の卵はアレルギーを見て少しづつあげましょう
- 卵は、完全栄養食品と言われています。
- 赤ちゃんは、胃が未発達のため、アレルギーが出やすいです。
- 卵をあげる時は、固ゆでにして白身と黄身にわけて黄身だけを与えます。
- アレルギーになりやすい白身は、後期や一歳近くなってから。
- 仮に卵がだめでも、色々と代用品で工夫できます。
離乳食の卵は、いかがでしたでしょうか?
卵が食べられるようになると、一気にレパートリーの幅が増えますので、楽しく安全に離乳食を進めていってください。
卵の白身は、高タンパク低カロリーでヘルシーな食材です。
ただし、卵の離乳食は黄身と白身にわけて、黄身は離乳食の中期から白身は離乳食の後期から与えてください。
ちょとだけ使いたい時は、うずらの卵が便利です。
楽しい食事にできると良いですね。