産後うつとは?妊娠中から始める産後うつ対策【体験談あり】

私の娘が新生児のころ、夜はだいたい3~4時間の間隔で授乳をしました。

なので、夜は2度ほど起きていました。

眠くて大変でしたが、よく聞いたら、娘は比較的よく寝る子だったみたいです。

なので、私は他のママさんより楽だったことになります。

なのに、それに感謝もせず、睡眠不足でイライラがひどかったです。

体は、ふらふらなはずなのに、なかなか寝付けなかったり、というのもありました。

それでも私は、ホルモンバランスの変化やストレスだと甘く見て、この状態を何ヶ月か放置してました。

これが産後うつの始まりだったのかもしれません。

現代では、産後の10人に1人の女性が産後うつになると言われています。

厚生労働省も2017年から産後うつの予防対策に乗り出しています。

助成金の制度をスタートすると発表がありました。

産後2週間と1ヶ月の検診で、検診ごとに5000円を上限とし助成されます。

この機会にぜひ産後うつの検診をしましょう。

まずは自分が当てはまるかどうか、そして予防は何ができるのか見てみましょう。

産後うつとは?どのホルモンが崩れるの?

産後うつとは、出産後の数週間から数カ月間続く極度の悲しみや、それに伴う心理的障害が起きている状態です。

産後うつはホルモンバランスが崩れることで発症すると言われています。

人には様々なホルモンが存在しますが、出産前後でホルモンが減ったり増えたりします。

脳内には三大神経伝達物質といわれる3つのホルモンがあります。

ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンです。

ドーパミンは喜びや快楽を操ります。

ノルアドレナリンは恐怖や興奮を操ります。

セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンをコントロールする、幸せのホルモンといわれています。

これらホルモンのバランスがいいと、心身ともに健康でいられるのです。

しかし、産後のママの身体は、出産前後でホルモンのバランスが大きく変化します。

出産後に急激に減少するホルモンもあります。

エストロゲン、プロゲステロンです。

エストロゲンは妊娠中に増加した子宮を大きくします。

プロゲステロンは流産を防ぐ役割があります。

反対に出産後に増加するホルモンとしてプロラクチンがあります。

プロラクチンは子供を守るために攻撃性が強くなる、母性本能のホルモンです。

こうした急激なホルモンの動きに加え、なれない育児や家事との両立、新しい環境への孤独感などから来るストレスなどによって、三大神経伝達物質がくずれ、産後うつを発症すると考えられています。

要するに、幸せホルモンの「セロトニン」が減少すると「鬱(うつ)」になる可能性が高いのです。

では、セロトニン減少の原因は何でしょう。

  • 運動不足
  • 偏食やダイエット
  • 朝、太陽の光を浴びない
  • 過剰なストレス
  • 不規則な生活と睡眠不足
  • コミニケーション不足
  • 加齢

産後はどうしても、運動不足や過剰なストレス、その上不規則な生活に睡眠不足が重なり、他人とのコミニケーションが減ります。

なんだかすべて当てはまってしまうような気がします。

産後うつチェックリスト

産後うつチェックリスト
  • 笑えない。
  • 毎日がおもしろくなかった
  • 何かを楽しみにできなかった
  • 物事がうまくいかないと、自分を必要以上に責めた
  • 理由もなく不安になったり心配になった
  • 理由もなく恐怖に襲われた
  • することだらけであった。
  • 不幸せな気分で眠れなかった
  • 悲しかったり、惨めな気分だった
  • 不幸せな気分で泣いていた
  • 自傷行為が頭によぎった

「産後うつかも」と思ったら、まず、このエジンバラ産後うつチェック表(EPDS)を確認してみましょう。

私の住むオーストラリアでは、産後2週間と8週間の検診の際に、新生児の成長と一緒に、母親の精神状態を確認するためにこのチェック表が使われます。

ここのリストにあるように過去7日間で上記の点に当てはまったら、なるべく早めに病院(心療内科や精神科)へ行きましょう。

いつも子供のことが最優先なママは、自分のことは後回しなことが多いです。

が、産後うつかもしれないと少しでも疑ったら病院に行くことをおすすめします。

まず、はじめの一歩として、新生児の検診で訪れる産婦人科で相談するのもよいと思います。

病院によっては、産婦人科で母親のメンタルケアをしたり、産後うつ専門医がいたり、専門の心療内科や精神科に紹介状を書いてくれたりと様々なサポートを受けられます。

最初から心療内科や精神科へ行く、というのは少しハードルが高い気がします。

私もちょっと抵抗感がありました。

だから、可能であれば、家族のだれかと一緒に診断してもいいと思います。

産後うつにとって大切なことは、家族の理解とサポートです。

まずは家族に相談してみてもいいでしょう。

産後うつ対策:セロトニンを増やす方法

産後うつ対策として幸せホルモンであるセロトニンを増やすことが重要です。

セロトニンを増やす方法としては『毎日20~30分の適度な運動』『早朝の日光浴』『バランスよい食事』『人間や動物とスキンシップをとる』などの方法があります。

毎日20~30分の適度な運動は、ゆっくり散歩でもいいです。

公園の下見や1駅歩いてみるのもいいですね。

早朝の日光浴は質のよい睡眠がとれるようになるので、できる時はできるだけ日光浴するようにしてください。

バランスよい食事はトリプロファンやビタミンB6を含む食材をゆっくり食べましょう。

5分以上でリズム運動と脳がみなし、セロトニンを分泌されます。

ガムをかむのもいいでしょう。

人間や動物とスキンシップははパートナーでもかわいい愛犬などのペットでも効果があります。

「30秒のハグ」はストレスの30%を解消するとして有名です。

これはハグによってセロトニンを分泌しているからなのです。

上記の4つの方法は、簡単のようで実行するのは難しい、と思うのは私だけでしょうか。

妊娠中は、身体が重くて運動したくない。

産後は、横に新生児がいるわけです。

だから、ゆっくり噛んで食事や適度な運動なんて毎日はむずかしいのです。

そこでもっと簡単な5つ目の方法があります。それは・・・作り笑いです。

先日、オーストラリアの新聞記事で、こんなことが書いてありました。

「棒を横にして口に銜えながら行動すると、いつも以上に楽しくなるが、棒を縦にして口にくわえると批判的になる」

つまりは、口角を上げることで脳が「楽しい」と錯覚し、「幸せホルモン」と言われる「セロトニン」を分泌するのです。

ちなみにセロトニンは、別名「やせるホルモン」とも言われていて、ダイエットにもかかせないものだそうです。

もちろん、私はこれを書きながら作り笑いをしています。

誰かに見られたら、怖いかも、ですね。

産後うつになりやすい人の特徴

私は産後うつとは程遠い人間だと思っていました。

ですが、性格的傾向をみると少しだけあたっていたのです。

では、どのような性格に人が産後うつになりやすいのでしょうか。

  • 完璧主義者
  • 努力家で勤勉
  • 真面目で几帳面
  • 責任感が強い
  • 社交的で融和主義

就職活動の書類面接なら、書類通過で面接も受かりそうな長所が並んでいます。

しかし、育児では、この長所が短所になりストレスをうけやすくなると言われています。

どうしてでしょう。

学生時代も社会人も、努力すれば報われるとして、努力しています。

周囲周到に予習したり、社交的にふるまったりとしてきましたが、育児ではそうはいかないことが多いです。

子供たちは、1人1人違うことがあり、育児本通りにはいかないからです。

私たち大人も、1人1人が似たようでまったく違う性格をしている訳ですから。

思っていなかったことが正解だったり、信じてたことがその子にとっては不正解だったり。

そして、今まで経験したことのない挫折を経験し、それがストレスとなり、産後うつになってしまうのです。

産後うつ私の体験談

異国のオーストラリアで、しかも初めての出産でした。

その時は、母が日本から4週間手伝いに来てくれました。

緊急帝王切開だった為、母の到着日より早く退院しました。

数日間は、義母が産後のケアとして食事を作ったり部屋の掃除をしてくれていました。

今考えたら凄くありがたいです。

母乳の出ない私に特製スープを毎食作ってくれました。

そのおかげで母乳は捨てるほど出るように。

妊婦で手の届かなかった部屋の隅々まで掃除してくれたり感謝するところだらけでした。

でも、これがマタニティブルーの始まりだったのかと思います。

義母が手伝ってくれる様子を見て、

(母乳が出ない私を責めているのではないか・・・)

(掃除が出来ない嫁だと思われてるのかも・・・)

一つ一つがイライラしり不安になったりと情緒不安定な日々でした。

数日後、大好きな母との再会でマタニティブルー気味だった気持ちはすっかり晴れたように思えました。

しかし、4週間後、母が帰国してしまいます。

夫婦での初めての育児が始まり、私の産後うつが始まりました。

季節は冬が始まり、外出を避け、引きこもることが多かったです。

週一でマザーズグループという、自治体主催の集まりには行ってはいました。

が、それ以外は誰かと会話したという記憶があまりありません。

会話も家事もしたくありません。

夫が仕事から帰宅しても、深夜の頻繁な授乳で、なんのやる気が出ないのです。

夕食の準備を忘れることもありました。

そんな中、夫も堪忍袋の尾が切れたのでしょう。

帰ってくるなり、「一体全体、今日一日中お前は何をしてたんだ?!」と怒鳴られたこともあります。

一日中、授乳して吐き出した母乳を掃除して、ミルク臭くなるのですぐ洗濯して、硬くて痛いもう片方の乳を絞り出しては捨て、ゲップしない娘が心配で側にいたら眠くなり、起きたらオムツから漏れ、また掃除と洗濯。

後は、おもちゃと一緒にあそんでたような、そんな一日だったと思います。

自分のお昼ご飯も忘れてしまうほど病んでたのです。

でも、知識のない私達夫婦はケンカばかりしてました。

そして落ち込みます。

必要以上に自分を責めたり、日によっては相手を責めたり・・・

よく考えたら軽度ですが産後うつでした。

やっと、義姉に指摘され、心療内科に診てもらい、その時は薬なしで済みました。

出産が原因で産後うつになる人もいる、という教えを説くようなカウンセリングでした。

今ではおかげでうつ状態も完全脱出!といいたいところですが、まだ100%ではないかもしれません。

育児でイライラしたり、夫婦関係で意見が合わなかったりと、不安要素はたくさんあります。

現在は、うつ状態にならないよう気をつけた生活をしています。

産後うつまとめ

産後うつ病は、「病気」であって治療すれば治るということを念頭に、病院へ行きましょう。

うつ状態になっている時こそ、自分を客観視しにくくなります。

家族そろって、妊娠中に「産後うつ」について話し合いをすることをお勧めします。

  • 「異変を感じたら、病院につれていってほしい」
  • 「仕事で疲れているだろうけど、話をちゃんと聞いてほしい」

など、理性がある間に伝えておきましょう。

パートナーや家族、そして周囲の人も、お母さんの様子を気にかけてください。

っして、様子がおかしいと思ったら、早めに病院へ行くようにサポートしましょう。

特に一緒に暮らしているのなら、パパさんもなるべく早めに帰宅してあげてください。

そして、育児を手伝ったり、話を聞くなど、心身ともにサポートしてあげてください。

私の尊敬する所ジョージさんは、有名な愛妻家で「子供より妻が好き」と公言してます。

その理由として「妻がいなかったら子供はいない」とのこと。

とても奥様を愛していて、信頼関係が成立しているのがよくわかりますよね。

新米ママは決して悪くないのです。

うつ病は、正しく治療すれば「治る病気」になってきました。

新米ママのせいにしたり、自分を責めたり、そういったことは不要です。

そんな負のエネルギーは捨て、専門医と納得行くまで話し合ってください。

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