妊婦に生卵はダメ?妊娠後期なら卵かけご飯を食べても大丈夫?

先日、地元で久々に友だちと集まったときのこと。

1人の友人が第一子の妊娠したことを報告してくれました。

半分以上が既婚者で子持ちだったので、そこから一気に妊娠中の話題で大盛り上がりしたのですが…

私「えっ?妊娠中って生卵ダメなの?なんで?」

友人「そんなことも知らないの?妊婦に生卵はNGよ?」

私は、二人出産したにも関わらず妊婦に生卵がダメだなんて全然知らなかったので、とてもびっくりしました。

友人達も、結局なんで生卵がダメなのか理由までは分からなかったので、本当に妊婦に生卵はダメなのか、なぜダメなのかを調べてみました。

Pick Up妊婦の食事おすすめの食べ物・食べてはいけない物一覧

妊婦は生卵を食べちゃダメです

まず、食べ物を過熱しないで食べると、食中毒になることがあります。

お肉はもちろん、意外にもお野菜にだって食中毒の危険はあるんですよ。

そして、卵だって例外ではありません。

食中毒とは、目に見えない雑菌の繁殖により、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れることです。

よくある、「食べ物に当たってお腹を壊したー!」っていうのもいわゆる食中毒ですね。

妊婦は生卵を食べてはいけないのか?という結論としては特に妊娠中は免疫力が低下して、普段より体調が変化しやすいので、卵に関わらず、加熱してない生ものは全般的に避けた方が良いです。

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卵の食中毒で早産や流産の危険性がある

卵の食中毒に多いのがサルモネラ菌の繁殖によるもの。

サルモネラ菌は小動物の小腸に生息している腸内細菌の一種です。

鶏の卵は糞と同じ肛門を通って出てくるので、卵の殻がサルモネラ菌に汚染されている可能性があるのです。

妊娠中に食中毒になると早産や流産の危険性があるといわれています。

また、妊娠中はやむやみに薬を飲む事ができないので、かなり慎重になりますね。

では、温泉卵などの半熟卵は、どうなのでしょうか?

東邦微生物研究所のホームページによりますと、

中心部まで火を通して、75℃で1分以上、65℃で5分以上加熱するとサルモネラ菌は死滅する。

東邦微生物研究所

とされています。

つまり、温泉卵は65℃の温度で5分以上加熱される訳ですから、大丈夫と言う事になりますね。

賞味期限内であることはもちろんですが、できれば新しい卵である事が望ましいです。

そして卵は買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れる。

冷蔵庫に入れる前には、殻ごと洗う。

割れて時間の経った卵は使わない。

上記を徹底すれば、なおさら安全ですね。

ちなみにトキソプラズマ症(トキソプラズマという寄生虫がヒトの体内に入ることで感染する病気)は卵で感染する心配はほとんどありません。

トキソプラズマの感染ルートの代表的な物は生肉、猫のフン、土です。

生肉を食べたり触ったりすると、トキソプラズマに感染する可能性があります。

牛、豚、鶏、ラム、馬、等のレアステーキや肉の刺身、生ハム等を食べたり生肉を調理したまな板や、包丁等の調理器具からの感染もあります。

猫の糞の中にトキソプラズマが感染しているといわれています。

ですので、猫の糞やトイレの処理をする時は、注意が必要です。

土の中にトキソプラズマが、感染している可能性があります。

ガーデニングなどの土いじりや、土のついた野菜を洗わず食べると感染する可能性があるといわれています。

卵の賞味期限の本当の意味は?

しかし、日本では卵を生で食べることを考えて卵を生産しているため、殻は消毒して出荷されていますし、卵に表示がある賞味期限は生食用の賞味期限になっています。

万が一サルモネラ菌が付着していた場合でも、菌が100万個以上ないと発症しないとされていますので

実は、そこまで危険と言う訳でもないみたいです。そして、菌が増殖しないように適切に管理してあれば

食中毒になるリスクもさらに少なくなります。

私が、二人の子供の妊娠中に生卵を平気で食べていたのに何もなかったのは、日本の卵がとても衛生的な管理のもと出荷されているおかげだったのです。

ただし、いくら衛生的と言っても油断は禁物。

夏場になり、気温が高くなってくると菌も繁殖しやすくなるため、食品の衛生管理はおこたらないようにしたいですね。

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厚生労働省が推奨する卵の正しい保管方法

そこで、厚生労働省が推奨する卵の正しい保管方法があったのでまとめてみました。

  1. ひび割れのない新鮮な卵を買う
  2. 帰宅後にすぐに冷蔵庫にしまう
  3. 生卵を扱うときは使う直前に冷蔵庫から取り出す
  4. 割った状態で放置しない

サルモネラ菌による食中毒は、近年でも毎年100300名前後の方が発症しています。

しかし、こうした厚生労働省からの呼びかけもあり、生産者や消費者が注意をすることで10年前から比べると

10分の1程度まで減少しました。

それから、妊娠初期でも後期でも、妊娠中に生卵を食べると胎児に直接の悪影響があるわけではないので生卵を食べたくなったときには食中毒に気をつけて、適切に管理した新鮮な卵を食べてくださいね。

外国人の前で卵かけご飯を食べるとどんな反応が?

「妊娠中に生卵を食べると赤ちゃんが卵アレルギーになる」という情報もネットでチラホラ出ていましたが、実際の研究結果として証明されたものは見つかりませんでした。

なんで裏付けがとれる研究結果がないのかなーっと意外に思ったのですが、卵を生のまま食べるのは日本特有の食文化だからです。

欧米諸国では生卵を食べる食文化がないので、そもそも研究する意味がないわけですね。

これには納得です。

卵に限らず、栄養が偏よらないように、赤ちゃんへのアレルギーが心配な妊婦さんは、産院や市町村等の栄養指導に添ってバランスよく食べてくださいね。

ちなみに外国人にとって、「卵かけご飯」という食べ方はかなりクレイジーな行為らしいので、外国の方と食事するときは卵かけご飯は控えたほうが良さそう。

妊婦は生卵を控えましょう

妊婦が生卵を食べても胎児への直接の悪影響はありません。

ただし生卵にはサルモネラ菌の食中毒になるリスクがありますので、妊娠中など免疫力が低下しているときには注意が必要です。

温泉卵は、サルモネラ菌の死滅する温度で作られるため、食中毒の心配はほぼありません。

ただし、卵のカロリーには注意してください。

卵は、一つで100キロカロリーあり、コレステロールは210mgも含まれています。

妊婦以外にも血中コレステロールが高い人や、腎臓に疾患のある人は、食べ過ぎに注意が必要です。

妊婦は生卵の摂取は控えて焼く、茹でるなどして適量の卵で栄養を摂取してください。

卵は、食物繊維とビタミンC以外の全ての栄養素を含んでいる完全栄養食品です。

もしも生卵を食べるときには、厚生労働省の推奨する卵の正しい保管方法で新鮮に管理したものを食べるようにしてください。

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